カサンドラとは、ギリシア神話に登場するトロイの王女の名前です。カサンドラは太陽神アポロンから未来予知の能力を授かりましたがその能力でアポロンに見捨てられる未来を予知したカサンドラはアポロンの愛を拒絶し彼の怒りをかってしまいます。そして「カサンドラの言うことを誰も信じない」という呪いをアポロンにかけられてしまいます。カサンドラは「真実」を伝えているのに周りの人から決して信じてもらえなくなってしまうのです。
「カサンドラ症候群」という名称はこのようなカサンドラの境遇と身近なアスペルガー症候群の人と適切なコミュニケーションを取れずに苦しむ様子を重ねて名付けられたものです。夫との情緒的交流がうまず、感情の分かち合いができない妻は根本的な要因がわからないからこそ様々な苦しみを抱えることになります。
そしてそのことを周りの人に相談しても周囲はその人の苦しみを理解してくれないという二重の苦しみに陥ってしまいます。
私が長年抱えていたもやもやとした気持ちや、共感してもらえないことからくる孤独感がどこから生まれるのか言語化するのがとても難しかったのですが、転落事故の後「カサンドラ症候群」という説明を読んだ時これはまさしく私のことだと思いました。
夫が物理的にそばにいても、私が当時抱えていた子育ての悩みや苦しみを分かち合うことはできませんでした。特に息子の思春期反抗期の時期は、毎日「どこで子育てを間違えたのだろう」と思い悩む日々がありました。(今となってはそれも良き思い出で、息子とは笑い話として振り返られるようにもなりましたが)夫の共感が得られない上にさらに追い討ちとなったのは、夫の両親から息子の態度や私の子育てに対する厳しい批判を受けたことでした。日々の小さな傷が、蓄積し、精神的な痛みが膨れ上がっていたところ、さらなる批判を受け、心がぽきりと音を立てて折れてしまった辛い時期でした。
自分を客観視するというのは、実はとても難しいことです。私はカイロプラクテックドクターやエナジーヒーラーなど、身体と心、魂に働きかける施術をしてくださるプロのサポートに出会えて本当にラッキーだった思います。ビジネスコーチングやライフコーチングの場面では、かつての私のように過去の心の傷を認識し、癒すことを最優先すべきケースも出てきます。特に女性は「共感」を得ることが癒しの最初のステップになります。あなたの感じる「感情」には全て意味があります。ありのままの感情を自分で受け入れて、癒して、そして前に進んでいくきっかけを一緒に探していきましょう。